黄金時代の探偵小説をもとめて

欧州在住の推理小説愛好家が主にKindleで黄金時代の探偵小説を読んでその感想をひたすら綴るブログ

ジョン・ロードは退屈なのか? "Murder at the Motor Show" John Rhode

読みに行けるロード ? 私が推理小説に夢中になった、30年くらい前から、ジョン・ロードという作家の日本での知名度は、けっこう高かった(あくまで推理小説愛好家の中で、だが)と思う。けれど、翻訳は極めて少なく、そして少ない割に、なぜか評価がすで…

デレック・スミスの幻の作品を(原書で)読む " Come to Paddington Fair " Derek Smith

世界探偵小説全集よ、永遠なれ 最終的に4期45巻に至った酷暑(あ、指がすべった)もとい国書刊行会の「世界探偵小説全集」の意義のひとつは、すでに汲みきり、干からびたと思われた泉がまだ多くの水を湛えていたということを我々に知らせてくれたことにあ…

「死体置場行ロケット」H.H.ホームズ(A. バウチャー) "Rocket to The Morgue" H.H. Holmes (Anthony Boucher)

はじめに バウチャーコンで知られる批評家、アントニー・バウチャーの、名のみ知られた推理小説の数々は、それこそ私が10代の頃から、稀覯本だった。 昭和30年代くらいに別冊宝石とか、創元の全集で訳出されて、それきり(多分今もそう)。 10代のころ…